fumée d'ambre gris

出来の悪い人。思ったこと、考えていることを書く。何か嫌になったら逃げ込んでくる。音楽を作る。

生存報告

自分で思っている以上に僕の身体及び精神の状態は芳しくないらしく、遂に長期休暇を与えられ、地元に帰ってきた。知り合いに会うのがとても怖く、迂闊に街を歩けないのだけれど、親に滅茶苦茶に揶揄されたので今日、髪を切りに行ってきた。そこはいつも通っている美容室でアーケード街の外側にポツリと営業しているのだけれど、従業員の年齢層は比較的若く、また僕のことを幼少時から知っている人達なのでそこについての恐怖は無い。むしろ安堵を覚えるくらいだ。馴染みの美容師さんに「これ地毛?(笑)。」と言われ、改めて自分の毛量が他に比べ多いことを自覚する。「もちろん(笑)。」と返すと「もう少し少なかったらそんなにボサボサには見えないんだけどね〜」とぼやかれ一般男性に比べやや長めの僕の髪に鋏を入れられた。切り終えた自分の姿を見るとあまり長さは変わっていない様だが、どこかスッキリしたように感じられ、美容師さんってすごいな〜と感心した。それも束の間、今度は自分の顔が目に入ってき、その醜悪さたるや、引きつった笑みに伏し目がちな目を向けられ、あやうく失神しそうになった。それでもなんとか踏み止まり、会計を済ませ「またね!」と言われ店を後にする。小腹も空いたし夕飯時には良い頃合いだったので、これまた馴染みのあるラーメン屋さんに行った。ちゃんと舌が覚えているその懐かしい味に、少しホッとし、そしてまたいつの日かの様にいくらかマケてもらって、僕のお財布も安泰。そしてキツイキツイ坂を登り帰路に着いた。

昨日はこれまた馴染みの深い、というよりはもう親類の一部の様にも感ぜられる英会話教室の先生とカラオケに行った。またその英会話の先生の歌唱力も賜物であり、美声を完璧なビブラートで装飾する。僕はう〜んと内心唸りながら、どうやったら出来るものか必死に勉強していた。当の僕は、以前に比べ発声の種類がいくらか増えたのと、声域が広がったというぐらいで歌唱力に関しては全くのド素人である。ホイッスルボイスが使えたら...ビブラートが綺麗に使えたら...と悔しさを感じながらも気持ちよく、そしてありったけの感情を込めて歌った。それについて、先生は褒めてくれるけれどやはり自分ではまだまだ納得いかない。なんとかしなければと思いつつも、いつの日かの自分よりは多少成長を感じられ、進歩はしてるんだな、と生物としての再認識は上手いことさせられることができた。また僕の音楽についてもとても関心を持って触れてくれるのでそれも嬉しい。音楽についてまともに会話ができる人がいるというのが僕にとって唯一の楽園、或は居場所なのかもしれないと、死にそうな脳でボンヤリと思うのであった。

さてさて、もう少しばかり地元に居座ろうと思うので、知人には良ければ声をかけてもらいたい。またあの地獄の様な所に帰るまでに、多少のアイテム、装備が必要だ。なにせ僕は人よりも持っているモノが少なく、なによりキャパシティがとても小さい。この矮小で貧弱な身体と精神を支えるためにはそれなりの武器が必要だと自覚している。そしてそれが何であるのかさえも熟知している。僕はこの短い帰省時間に、多くの武器を手にし、そしてそれをあいつと作らなければならない。それだけが、それらの人達だけが僕を生かしているのだと今しかと実感し、人間として生存を続けている。そしてあわよくばそれが人の為になれば、と今も、そしてこれからも願って止まない。